キレーション治療の未来




 キレーション治療の先進国アメリカでは国立衛生研究所が中心になってキレーション治療の効果について大規模な治験を実施しています。従来キレーション治療が心臓の冠動脈疾患に有効だとされてきたので、臨床を通してその有効性を調べているのです。何ごとも実証主義のアメリカらしい取り組みです。

 実際キレーション治療が効果を上げていると言われる疾患として、重金属除去のほか、動脈硬化や狭心症、糖尿病による末梢神経障害などがあります。

 キレーション治療は万能治療ではありませんが、健康に役立つ治療法の1つであることは間違いありません。

 ところで、キレーション治療による重金属除去の効果を実感しやすいのは、やっぱり中高年のようです。若い人は重金属の蓄積量が少ないのかもしれませんし、そもそも基礎体力がありますから、キレーション治療を受けてもそれほどの実感がないということだろうと思います。

 キレーション治療の点滴にはキレート剤のほかビタミン剤なども入っていますから、最近疲れが抜けにくいという中高年ビジネスパーソンが元気を回復する目的でキレーション治療を受けていることがあります。そういう目的での治療もありなのです。

 ただ、キレーション治療は儲かると思って、ろくな知識もないくせにキレーション治療を始める医者が時々いますから十分気をつけましょう。チェックポイントは「重金属の蓄積度を調べる尿検査をした上で、キレーション治療をする必要があるかどうかをきちんと判断する医者」であることです。それから、アメリカのキレーション治療認定医の資格を持っているかどうかも目安になります。

(C) 2009 キレーションの医学〜究極のデトックス